元 ハイスペック()ぼっちの回顧録

かつてハイスペック()ぼっちを自称していた文系大学生のブログです。「常に観測者でありたい」

『物語の物語』について 〜元型のその先へ〜

どうも。

ついに冬休みに突入しました。冬休みと言っても殆どないのですが、それはさておき。

クリスマス?勿論何もありませんでしたよ。イヴに至っては、家から出たの30秒ぐらい。次のイベントは、初日の出ですね。今年こそ見に行きます。

 

 近頃、日本のIWC脱退が話題になっております。

国際捕鯨取締条約については何も知らないのですが、商業捕鯨が(今後も)認められない(可能性が高い)から抜けるという話は、「満州国認められないから抜けちゃうもん!」と言って国際連盟を脱退した過去を想起させますね。

一つ疑問に思っていることがあるのですが、IWCを抜けたからと言って商業捕鯨が許されることになるのでしょうか

政府は、捕鯨EEZ内でのみで行うとしています。政府が以下のような主張をしているかは別として、理論上は、EEZ内の資源利用について他国からとやかく言われる筋合いはない、と考えることも不可能ではなさそうです。*1

ただ、これで(IWCを抜けることで)商業捕鯨が認められるとするならば、一貫性を保つために以下の主張も受け入れるべきでしょう。*2*3

・パリ協定から抜けたから、今日から温室効果ガス出しまくっちゃうもん!

・NPT*4から抜けたから、僕も核兵器作るよ!

 

核兵器なんて勝手に作ればいいじゃん!」って人もいるかもしれませんが、これらの主張にぶつかれば多くの人々が「ざけんなよ」と言いたくなるでしょう。残念ながら、日本がやっていることはこれと大差ありません。多分。

これらの主張を認められないのに上述のような主張を平然とかますのであれば、己が都合に合わせ立場を使い分けるクズ国家の誹りを免れないでしょう。*5

ここで勘違いしてほしくないのは、僕が捕鯨反対派を支持しているわけではないということです。つまり、「鯨を獲るな」と言いたいわけではないと言うことです。

ただ、現実として、捕鯨禁止が国際的潮流になりつつある(というかなっている)のは政府も認めるところで、最早それがルールとして出来上がりつつある(或いは出来上がっている)のです。多分。

 

本来ルールは当事者間でのみ効力を持つものである以上、他に何も条件が無ければ、これらの主張は認められてしかるべきでしょう。しかし、残念ながらそれが許される時代ではありません。

日本に生まれた人間が「俺日本国籍とか要らないし行政の支援とかも不要だから、刑法なんか守らないし税金も納めないわ」と主張したところで、「何言ってんの?」と思うでしょう?それと同じことです。

同じ地球という惑星に存在する以上、ルールに参加していないからと言ってそれを完全に無視してよいことには(倫理的には)ならないのです。日本国憲法(前文3項、98条2項参照)も国際協調主義を掲げているし。それが嫌なら、地球から飛び出して他の星にでも国家を作るしかありません。

ルールから抜けた後であれば、そのルールで規定された罰則が及ぶことはないでしょう。(流石にそう信じたい)

しかし、参加していなくとも、国際的なルールを破れば国際的批難とやらは免れ得ません。

あとは、それを受ける覚悟があるのか、ということです。苟も先進国を僭称自称する日本が、国際的批難とやらを受けてまで脱退する理由があるのか、ということです。 

因みに、ここで「人から文句を言われる/言われたから自分の主張を変えるのか!」などという議論を持ち出すのは場違いです。理由は自分で考えテネ!

 

 

 

まあ、鯨肉に思い入れがあるわけではないので、相変わらず長い前置きはこれぐらいで。

ここからが本題です。 

さて、昨日から3日間、年に一度の一大イベントが行われています!

冬コミです!

人が多いし寒いし迷っているのですが、多分行きます。

わざわざ行かなくても「と◯のあな」で買えばいいじゃん、などと言っているクラスメートもいますが、と◯のあなには売っていない(だろう)本もあるのだよ。

その名は、 マインドマップで語る 物語の物語』!

英題は"The story of stories"です。とりあえずなんか格好良いです。

この本は、今年の夏コミから「物語三昧」というサークルが販売しているものです。全何巻かは忘れましたが、各コミケ毎に1冊ずつ発行していく、的なことを書いていた気がします。

monogatarinomonogatari.amebaownd.com

公式サイトでアナウンスとかも無いから、てっきりこの冬はもう出さないのかと思っていましたが、コミケのカタログを見たらちゃんと載っていました!

まあ、皆さんお忙しいだろうし。更新されてないのは、仕方ないこと……だよね……。

 

僕はこのサークルの回し者ではないので宣伝はこれぐらいにしておいて、この記事では、夏コミで買った1巻に関係する話を書きます。

因みにこの本はネットラジオの講義をまとめたものなので、お金を払いたくない人はyoutubeで探せば聞けると思います。しかし、全部聞こうとしたら何時間かかるかは分かりません。守銭奴の僕が夏コミに出向いてまで本を入手した背景には、そうした事情もあるのです。 活字の方が見やすいし。

 

 

まず、読んでいない人のために、軽く内容を説明しておきます。

この本は、別売り*6マインドマップ*7の解説書です。

『物語の物語』というタイトルの通り、(主に)戦後日本のサブカルチャー作品が織り成す物語を俯瞰するものになります。

(同時代の)諸作品のストーリー展開には一定の共通性があり、それが物語の「元型(アーキタイプ)」です。これは、ストーリー展開の雛形のようなものですね。諸作品のストーリー展開の根底には、この「元型」があるのです。

「元型」はユングの言葉ですが、ここでもユングの言葉を借りるなら、物語の「元型」とは、「集合的無意識において人類レベルで共有されている物語の型」ということになるでしょう。

この「元型」がいかなる変遷を辿ってきたのか、を追うのが「物語の物語」になります。*8

※1/2追記

と思い込んでいたのですが、2巻を読んだら↑の解説は間違っている気がしてきた……

まず、神話が物語の元型として挙げられていたのは多分間違いないです。

ただ、その後、同時代の作品間に見られる共通の物語(上で書いた「元型」、いわば共時的な横の繋がり)の変化を追うというよりは、具体的な作品に着目している気がします。

つまり、ある作品が問題を提起してそれに対して他の作品が答えを示す、みたいな作品間の(いわば通時的な縦の)繋がりを追っている。点と点を結んでいく感じです。

 

「何言ってるのか分からん!」とか「具体的な内容を示せ!」という人のために、3行でまとめました。←1回やってみたかった

読んだのは4ヶ月ぐらい前ですし、記事のためだけに改めて読み返すのは面倒なので、正確性は一切保証できません。

 

少年は竜退治、少女はお姫様に憧れる
(竜退治で)敵も味方もインフレ→敵:お前ら(=人類)こそ悪じゃん!
味方:知らんけど、取り敢えずあんた(=敵)は倒しとくわ

 

はい、余計に訳が分かりませんね。まとめどころか、本文の内容に沿っているかどうかすら怪しい。

本にはもっと色々な話が書いてあるので、知りたい人は自分で読んでください。(結局そうなる)

 

因みに、この「人類こそが悪なのではないか」という問題は、本の中でも難題として語られています。それに対する答えとして書かれているのが、『風の谷のナウシカ』や『寄生獣』で示された「べつにいいじゃん!(超訳)」というものです。

これを読んだら、(少なくとも3人に1人ぐらいは)こう思うでしょう。

「いや、それ答えになってないじゃん!」

僕もそう思った。便利だし自分でもたまに使う手法ではありますが、他人に言われるとつっこみたくなる答えです。

Q. 神の存在は証明できるか
A. 神の存在は証明されるべきものではなく信じるものである 

これ↑と似たようなものですからね。

しかし皆さん、安心してください!

この問題をスルーしているようではよく売っている怪しい本と同じレベルということになりかねませんが、そんなことはありません。本の中の次回予告に、続巻で正面からこの問題に答えた物語について扱うと書いてあります。流石。

ということで、続きに期待することにしましょう。

 

 

 

さて、この本では触れられていない(そして、恐らく今後も触れられない)問題があります。

神話(アーキタイプ)のアーキタイプとは何なのか。 

テーマが変わってくるので、本でこの問題を扱っていないのは自然なことでしょう。

しかし、せっかくなので、ここではこの問いに一つの答えを与えたいと思います。

この問いが何を言いたいのかは分かりますよね。各地の神話に共通性が見られるのは周知の事実で、神話の分類も行われています。それでは、全ての神話の元となるような型はないのか、ということです。

ここで書くのは、大学の講義で聞いてきたものです。そもそも潜っただけできちんと授業を受けたわけではないですし、数回の授業で教授が伝えられる内容には限界があるので、多少無理があったり一面的であったりすることは否めませんが悪しからず。

 

 

……ということで本当はここから詳細な説明をしていくつもりだったのですが、時間の都合で取り敢えず結論だけ書いておきます。詳しい話は、時間がある時にでも別の記事で書きます。多分。

 

それで、「神話のアーキタイプとは何か」という問いに対する一つの答えは、「他界との交流」です。

流石にこれだけだと訳が分からないと思うので、少しだけ説明。

「他界との交流」とは、「他界に行き、他界から帰る」ということです。キリトがSAOの世界にダイブして、団長倒してリアルに帰ってくる、みたいな感じですね。

神話における他界の典型は、「死者の世界」です。生者の世界から死者の世界に行き、再び生者の世界に戻ってくるという話は、どの神話にも必ずあるでしょう。パッと思いつくのは、日本書紀(だったと思う)のイザナギイザナミに会うために黄泉の国に行く話です。

こうした他界との交流は、全ての物語の元型になっているのです。(と授業では言っていた)

 

そして、こうした冒険をする存在が「シャーマン」です。

彼等シャーマンには、ある特徴があります。それが、跛行です。 

踵を傷付けられたオイディプスは正にその典型と言えますが、シンデレラや浦島太郎も、跛行に類する特徴を持っています。彼等は、いずれもシャーマンなのです。シンデレラがシャーマンとか言われると、イメージが崩れますが……

二足で直立している人間に比べ、跛行している人間は大地(=動物の世界、死の世界)に近い。そのため、彼等は(通常の人間には行くことのできない)他界に行くことができます。オイディプススフィンクスの問いに答えられたのも、跛行するシャーマンだったからなのです。

 

 

それでは、何故「他界との交流」が神話のアーキタイプなのか。

授業では、この問いについても答えが与えられていました。

元々神話と物語が必要なのは、「人間存在の矛盾を認識するため」です。(と授業では言っていた)
矛盾とは、生と死、魂と身体、自然と文化、などを指します。
シャーマンは、これらの矛盾する2つを結び付けます。しかし、それを再び分離するのも彼等の役割です。矛盾するものがくっついたままであってはいけないのです。失われたつながりを回復し、もう一度切り離す。それによって、両者の関係を再構築し、適度な距離を取ることで秩序を回復します。この「適度な距離」を探し求め、人々は様々な神話を生み出してきました。 

そして、秩序の回復に成功すれば、物語はハッピーエンドになります。一方、それができなければバッドエンドです。だからこそ、オイディプスは死なねばならなかったのです。

 

 

以上、神話の元型についてでした。

本当はもっと詳しく説明した上で、ここからまたアニメの方に話を戻したりとかしてみたかったのですが、その時間が無いのでこれぐらいで。

本当なら全部書いてから公開するべきなんでしょうけれど、コミケが終わってから紹介したんじゃ遅い気がする。

ペトロニウス*9のあとがきについても、書きたいことがあったんだけどなあ……

 

 

 

時間が無い、時間が無いと言っていますが、言い訳をするとですね、先日紹介した動滑車付きの弓をレゴで試作していたんですよ。


ギミックは予定していたものの8割程度は作れました。勿論、輪ゴムを使ったもので威力は殆ど無いです。
ただ、強度計算とかせずに*10ロマンを求めて無駄に大きくしてしまったせい*11で、ハンドルがリムの重さを支えきれないという欠陥が……

弓を構えることすらできません。(そんなことしたら多分折れる)
とりあえず試射して動きを確かめたいので、他の材料で補強しようと思います。
それから、動滑車を導入するとなるとかなり弦を引かないといけないことを改めて感じました。バネを強くすれば引く距離は減るのですが、それだと見た目的にマイナスです。
目下のところこれが一番の課題ですね。

 

 

それで、コミケが終わってからも、レポートとかやるべきことが色々ありまして。(本当は、レゴで遊んでいる場合じゃなかった)
それから、4月前後の新人賞ラッシュに向けて小説を少なくとも1本仕上げたいので、更新速度は著しく低下すると思います。予備試験の勉強もあるし。

 

 

それで皆さん、良いお年を。

*1:実際には、海洋生物はEEZに関係なく移動する以上、そもそも「口出しされる筋合いはない」という主張がおかしい。

*2:いずれの問題についても様々な国際的取り決めがあると思いますが、(詳しく知らないし)分かりやすくするためにそれぞれ1つだけ名前を挙げました。

*3:捕鯨と温暖化・核兵器問題では質が違う!」などという批判のために一応書いておきますが、商業捕鯨を禁止するというルールがあったとして、その是非について論じるつもりはありません。ただ、世界的な風潮として捕鯨を禁止する流れであることは疑いようがないでしょう。

*4:Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons 核拡散防止条約

*5:現実的な話をすれば、立場を使い分けるのは国家に限らずよくあることで、こんなド正論みたいなことを言う人間の方がおかしいとも言える。

*6:マインドマップと1巻がセットで1000円でした。

*7:神話から現代の最新作までの膨大な作品(物語)の繋がりを表す。とにかくデカい!そして、字が小さ過ぎて読めない……

*8:本では物語の元型として神話が出てきて(不変かつ普遍の物語としての元型たる神話)、そこからいかに物語が発展していくか、という話でしたが、このように元型を「時代と共に変化するもの」として捉えてしまってもよいと思います。この場合は、元型の元型が神話ということになりますね。

*9:「物語三昧〜できればより深く物語を楽しむために」というブログを書かれています。上で紹介したサークルの名前はここから来ていたはず。僕が『物語の物語』について知ったのも、この方のブログからです。他にも『物語の物語』に関わっている方は何人かいらっしゃるのですが、他の方のブログは読んだことがありません……取り敢えず、全員凄い人(だと思う)。

因みに、夏コミに行った際にサークルの方々には会っているのですが(その中にペトロニウス氏がいた可能性もあるのですが)、誰が誰かということは一切把握しておりません。会ってみたいという気持ちもある一方で、会いたくないという気持ちもある。本物に会っちゃうと、自分の中で勝手に作られたイメージとのギャップにがっかりする可能性(←本人に対して失礼)があるんですよね……「僕の夢を壊さないで」みたいな。ということで、今回も買うだけ買って帰る予定。

*10:そもそも、そんな高尚なことはできない。

*11:実を言うと、動滑車を使う場合大きくしても威力に影響はない。(寧ろマイナス?)

ある程度の威力がありながら小型化できる(はず)というのが、メリットの一つ。